2018年4月8日、広島国際会議場において新年度(平成30年度)第1回日本臨床歯科学会広島支部学術大会が開催されました。
今回は、日本臨床歯科学会副会長である本多正明先生を講師にお迎えして、ご講演をいただきました。
また会員発表では、川本亨先生(広島支部副会長、岡山支局、クリスタルデンタルクリニック)により、「下顎両側遊離端欠損部にインプラントでの咬合支持を与え、全顎的な咬合崩壊に対し咬合再構成をおこなった症例」と題して、佐名川徹先生(広島支部副会長、岡山支局、さながわ歯科クリニック)により、「咬合崩壊を予見するII級1類過蓋咬合症例 ~矯正学的見地からTooth positionを検討する~」と題して、お二方とも包括的歯科診療の概念を踏まえての大変興味深い症例発表がありました。
大井手和久先生(広島支局、あいおい通り歯科クリニック)からは、今夏に金沢で行われる第2回日本臨床歯科学会学術大会において発表予定のプレゼンテーションをご披露いただきました。広島支部代表にふさわしいプレゼンテーションが着々と仕上がっていることを実感させるものでした。
奇しくも、前回例会(2017年度第4回例会)では、藤尾明先生から「歯科技工から考えた咬合の重要性」?アンテリアガイダンスとバーティカルストップを考察-というテーマでのご講演がありましたが、本多先生の今回のご講演では、Longevityを具現化するために必要な理論と実践的な知識技術を、主にドクターサイドからお話しいただきました。
内容としては、咬合総論として、咬合の満たすべき要素や下顎運動の決定要素の基礎的な知識に始まり、咬合理論を静的なものと動的なものとに分けて、補綴治療を成功させるための臨床的基準などを踏まえての知見を、雰囲気も穏やかに、かつ丁寧にお話しいただきました。
印象的であったのは、欠損歯列の病態とそのレベルを的確に診断するために、歯種ごとに歯根表面積や歯根形態を踏まえて咬合支持能力の評価指数を与え、点数化を行ったことでした。それにより、治療前の段階と治療咬合付与後の口腔内の状態を点数により客観的に評価できることとなります。
Dr. Raymond Kimのお教えを礎として、本多先生は、Back to the Basic, Challenge for the Futureを正に持続的かつ着実に実践されていることを、ご講演では感じ取ることができました。
発足して間もない日本臨床歯科学会広島支部の新年度第1回の例会として、これからの方向性を示していただいたことは大変意義のあることと思われました。
今回の例会をいつもながら成功裏に運営していただきました広島支局の先生方、ならびに強力にサポートしていただいております協賛企業の皆様にあらためてお礼を申し上げたいと思います。
<今回の展示参加業者様(50音順)>
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